わたしは都会育ち、サラリーマンの娘です。
そんなわたしが・・・農家の長男のお嫁さんになっていたのです。田舎の義父母とは離れて暮らしていましたから、実感が湧いていませんでした。田舎の・・・農家の・・・長男の・・・嫁・・・わたしは、田舎の農家の長男の嫁!!
でも、お舅さんやお姑さんと同居している友人たちの話は、聞いてもピンときていませんでした。まして、田舎の農家のことなど、たいへんそうだけれど・・・わからないわたしでした。
そんなわたしが、45歳で脱サラ農業田舎暮らしを義父母と同居スタイルで始めたわけですから・・・まあ、いろんなことがありました。
今は、義父母はもう、あちらの世界に旅立ちましたので、書かせていただいてもいいかな?と・・・(うちの嫁はまったく~!と見られているような気もしますが・・・)
農家のお嫁さんたち~!毎日、いろいろあるでしょ!わかる~!わかる~!あんなこと~、こんなこと~、書かせていただきますから~!
今回は、同居したばかりのある日の舅のこの一言、今でも、忘れられません。
確か、農業経営の話をしていたときに、私が、口をはさんだ時のこの一言「お前は他人だから」。
一瞬、舅とわたしの間に透明のガラスがはめられて、わたしはシャットアウト状態になりました。(当たり前ですよ。わたしはあなたたちから見れば他人です。血もつながっていないし育ていただいてもいないし・・・正真正銘の他人でございます。)
でも、わたしは、シャットアウトガラスを一瞬で破りましたよ~!
「そうです!わたしは、他人です!でも、同じ屋根の下に暮らしたら家族でしょ!」
舅は一瞬、ポカ~~~ンとした表情になり、そのあと、何も言えませんでした。
「家族でしょ!」
「家族だから、家のことをみんなで考えるのでしょ!」
「家族でしょ!」
たぶん、嫁のわたしが、言い返すとは思わなかったみたいでして・・・。その後の話し合いにも堂々と参加させていただきました。(笑)
日本中の農家の皆さんにお伝えしたいことは、お嫁さんは他人でも家族だということです。
こんなことも、ありました。姑が「この家はおれの家だ!」と一言。どんな状態でこの台詞になったのか、忘れてしまいましたが、何かの拍子に、姑がわたしにこの台詞を使いました。(家の名義は、爺ちゃんでしたが・・・。)
嫁のわたしへの意地悪のつもりだったかな?と思いますが、この台詞のことしか覚えていません。そのとき、わたしはこんな風に言い返しました。
「そうだよね。家は嫁のものだよね!婆ちゃんは嫁だよね!わたしも嫁だ!」
婆ちゃんは、キョトンとした表情でいました。
「この家は、嫁のものだよ!婆ちゃんも嫁、わたしも嫁!」
繰り返しました。少し認知症も入り始めたころだったかもしれませんね。今では懐かしい姑との思い出です。
家女と書いて「嫁」。
家は嫁のもの?家は嫁次第ですから~!お嫁さんを大切にしないと・・・ねっ!
なつかしいポカ~ンとキョトンのお話でした。
つづく