その2~バトル開始のとき~

お嫁さんの味方はだあれ?
~バトル開始のとき~

他人の中に入ったお嫁さんです。
味方は誰もいません。
よそ者だと同級生もいません。
友だちもいません。
お嫁さんの味方はだれでしょう?

同居して1年目、わたしは、よく舅や姑に
「そんなことすっと笑われッぞ!」
と言われました。

これは、呪縛の言葉です。この台詞をかけられると、固まってしまう農家の長男や嫁が多いようです。この言葉は魔法のように、若者を固まらせてしまうのです。すごい呪文です!一瞬で固まります!

でも、わたしは、この呪文をはねのけてしまいました。

「笑われてもいいも~~~ん!」
(笑う門には福が来るも~ん!)

振り返れば、笑われるようなことをいろいろやりました。ある晴れた日に、円形の畑づくり。キッチンガーデンをつくりたくて・・・。

「花壇つくってるのかい?」
と、近所のあねさ(年上の女性)に言われました。

「ううん、畑!は・た・け」
「畑かい?」
「はい、花も植えます。」
「そうかい??????」

あとで、円形は水もやりにくく、ボーダーのほうがいいと感じましたけど。(笑)
このときは、舅も姑も山の田んぼに行っていましたから、「そんなことすっと笑われッぞ!」を耳にすることはありませんでした。後日、畑の畔にコスモスを植えていたとき

「そんなとこに花植えると笑われッぞ!」
と、大きな、大~きな姑の声

わたしは、にっこりと微笑んで、その手は止めませんでした。さすがに、姑も植えたコスモスを抜くことはなかったので、コスモス街道を作ることができました。今では、秋になると集落中にコスモスの花が咲きます。

こんなこともありました。

法事のお手伝いに白いズボンをはいて行こうとしたら「そんなズボンじゃ笑われッぞ!オレのはいて行け!」(注:うちの婆ちゃんは自分のことを「オレ」と言っていました)

自分のはいている紺色のボロボロジャージのズボンを脱ぎ始めました。どっちがここらへんでは笑われるのかなあ?と考えて、そのときは、婆ちゃんの脱いだボロボロジャージのズボンをはいていきました。

都会なら、こちらのほうが笑われるだろうなあ・・・と思うと「笑われてもいいもん!」はこちらのズボンをはくことかな・・・なんて、自分でもおかしくなりました。

ある日の舅の一言は

「おなご(女子)は出るもんじゃねえ!」

でした。これも呪縛の言葉です。たぶん、ここらへんのお嫁さんたちは、この言葉で、引きこもり状態になったり、意見を言わなくなったり、実家に帰りたくなったりしたのでは?と思いました。

この呪文もわたしには効きませんでした。

(わたしは、オナゴでもイナゴでもアナゴでもないも~~~ん!)(わたしは、人間だも~~~ん!)(アナゴの天ぷら美味しいもん!イナゴの佃煮はパスだな!)オナゴから連想ゲームをしていました。

ここらへんでは、嫁=オナゴ(女子)=出るものでない!だから、ここらへんの集落は活気がないのでは・・・とも気づきました。

地域活性化のカギは「女子(オナゴ)」ですから!

女+子と書いてき!!

突然ですが、農業女子(オナゴ)好きですよね!

女子(オナゴ)のわたしがやりたいようにやれたのは「笑われてもいいから」と応援してくれた主人がいてくれたからです。さらに、友だちが一人もいなかったわたしに、お茶飲みに行って来いよ!と声掛けをしてくれたのは主人です。先輩の雑貨屋さんにお茶飲みに行くように勧めてくれました。


あるとき、主人の同級生がわたしに
「天真爛漫な人だなあ・・・」
と言いました。

わたしが呪文をはねのけることができたのも、天真爛漫でいられたのも、主人という味方がいてくれたからです。

ある朝、わたしは舅&姑チームに強く言われました。主人は、わたしについて、2対2のバトル開始。その後、二人きりになったとき、主人が一言「実家に帰るときは、僕も一緒に行くよ!」

わたしよりも東京が好きな主人です。(笑)
おかげさまで、実家に帰ることはありませんでした。

つづく

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